繊細派のまいにち。

平凡でなんでもない日常に見つけたことを書きます。

あなたのそうゆう所が嫌いなの

夫はトマトが嫌いだ。青臭い風味や見た目、ドゥルンとした種部分など嫌いな点がたくさん。嫌悪感たっぷりに「レッドデビル」と呼んでいる。

 

びっくりドンキーに外食に行けば、大根サラダにちょこんと乗せられた夫分のプチトマトを食べるのが私の役目だ。

 

そんな夫は何故かトマトケチャップは食べる。ナポリタンは美味しいと言いモリモリ食べる。難しい...

 

そんな私はと言うとネバネバ系が大嫌いだ。なめこ、とろろ、モロヘイヤ。何が嫌いってその全部。ただオクラは大好きだ。オクラの1本漬けなんて最高!我ながら難しい。

 

人の好き嫌いなんてそんなもんなんだろなーと思う。毛嫌いしているモノでも中には「あ、これイケるわ」「なんかこれだけは好きだわ」っていうのがあるんだろう。物も人も然り。オクラに次ぐ何かが見つかればいいな。

 

どれも一緒よ。

今日もスーパーに買い出しに出かける。

本日の特売品コーナーにはオクラが並んでいた。少し汚れや痛みあるふぞろいなオクラたち。すぐに茹でで冷凍するので全く問題ないと手に取る。割と綺麗なものはないかしら。

 

特売品コーナーには私の他におばあさんが1人いた。2人で主婦のてさばきでオクラを手に取り吟味する。

 

なかなかいい状態の物がないなぁ〜と思って次のオクラに手を出した時、スッとおばあさんの手が同じオクラに伸びていくのが見えた。

 

「あっ...!」と思った瞬間、数秒の差で私がお目当てのオクラの袋をつかむ。なんだか申し訳ない気持ちになりおばあさんに顔を向けて「すみません」と言ったら、肩をパシっと叩かれて「どれも一緒よ」と言われた。

おばあさんはニコニコ笑っていた。

 

「そうなんですよねー。分かってるんですがちょっとでもいい物が無いかと思って」

「分かるわ」

「綺麗で大きくて、いっぱい入っている物がないかなーって探しちゃいます」

 

また肩をパシっと叩かれた。「同じよ」と相槌を打ちながらウインクでもしそうな雰囲気でチャーミングに笑うおばあさん。

 

主婦たるもの皆んな同じなんだな。先輩主婦とのやり取りにとても心が和んだ。「オクラはお通じにいいのよ」とコソッと教えてくれた事を思い出しながら、茹でたオクラを取り上げサランラップで包む。

 

ネバネバが嫌いな物なのに、唯一オクラだけは好きだ。なんなんだろう、あれ。トマトは食べれないけどケチャップは食べるみたいな。

 

 

 

消防車のう○ち

2歳の娘は車が好きだ。

100均に行けば、迷わず車のシールを買うし、よく口ずさむ歌は「はたらく車」だ。気がつくと「どんどん走るよ、はたらくくる〜ま〜♪」と歌っている。

 

ゴールデンウィークは色んな遊具がある公園に行ったが、そこでも1番に車の形をした遊具に乗りに行っていた。

 

彼女が車を好きになるきっかけは、保育園の避難訓練で消防車を見たこと。消防署の人たちも参加してくれる行事で、その場に消防車も来たのだ。

 

 

よっぽど衝撃を受けたんだろう、その行事以降どんな車を見ても指をさして「しょうぼうしゃっ!!」と言うようになった。

 

2歳になった今、バスや救急車、電車など他の乗り物も覚えたけど、やっぱり1番好きなのは消防車のようだ。

 

2歳になり本当にお喋りが上手になったなぁ。子の成長には驚かされる事ばかり。おむつ替えだって最近では「出たよ。まぁ〜るまる!(丸々と大きいのが)」と教えてくれる。

 

先日、気張っている様子だったので見守っていると唐突に「消防車でたあぁっ!!!」と空に向かって発表していた。

 

子の発想にも驚かされる事ばかり。

 

 

 

抜け感

ファッションでいう「抜け感」が分からない。いや分かるんだけど。それは白スニーカーだったり、Tシャツから少しだけ顔出させたシャツだったりするのは分かってる。

 

だけど「抜け感」という言葉がどうにもソワソワする。同じく「こなれ感」もソワソワする。

 

先日、ホームでやりらふぃーファッションの若者を見た。黒のTシャツ、グレーのピッチピチパンツ、白スニーカー。チェーンアクセサリー。全身がタイトで完璧だった。

 

そして手にはごつめの腕時計、ではなく麦チョコの袋が握りしめられていた。

 

イケイケファッショと麦チョコ。彼のコーディネートの抜けは完全に「麦チョコ」だった。麦チョコて。可愛いなとフフッと思わずマスクの中で笑ってしまい、少し「抜け感」に気を許した。

 

 

知らんがな

先日、職場のデスクの隣人から「これいいと思わない?」と言われたので見てみると、本のスクショだった。

 

【「知らんがな」の心のつくり方〜あいまいさを身に付けるレッスン〜】と書いてある。

 

隣人は「世の中知らんがなって思う事多くない!?これ見つけた時、いいなぁ〜って思ってスクショしたの!!!ほんとすぐイライラする!」と鼻息荒めに話してくれた。

たしかに題名を見た瞬間いいなぁとフフッと笑ってしまった。「知らんがな」ってパワーワードだ。

 

すかさず自分のKindleアプリを開き、購入履歴から【気にしない練習】という本をここぞと見せる。読みかけの本をタップすると「イライラ病への対処法」という章が目に飛び込んできたので「見てください!ちょうどこんな章読んでました!」と鼻息荒めに伝えたら、真顔で「大丈夫?」と言われた。

 

え?

え?え?いいなとスクショするのと実際に買うのは違うのか。そこまではいかないのか。温度感のズレに戸惑う...。難しいな。

 

でも、やっぱみんな同じような事に悩み対策や解決法を模索してるんだなと分かって、ほっこりした日だった。

 

(独り言)

Amazonとかのページの商品リンクを載せるのはどうやるのだろう?アプリからの編集じゃあ出来ない事が多いのだろうか...みなさんの写真やイラストをいつも拝見し、素敵だなと思っています。

まだ機敏に動けたことに感動

先日、まだ自分が機敏に動けることを知って感動した。

 

トゥルルルルルルルルー

電車がホームに到着した音が鳴り響く。エスカレーターを早足で駆け降りなんとか電車に間に合ったと思ったが、その瞬間チャリンと何かが落ちた音がした。電車の中からホームを見ると家の鍵が落ちている。このタイミングでキーケースのマルカンから外れて落ちたのだ。

 

いつもなら些細な事をひたすら悩み頭の中で反芻するのだけど、その瞬間体は動いていた。

「拾える!間に合う!いける!!」とか考えてる暇もなく猫のようにしなやかにサッと降りてホームの鍵を拾い、何もなかったかのように電車の中に戻った。

 

動き出した電車に揺られながら鍵をキーケースのマルカンに通す。私ってこんなに機敏に動けたんだと自分で自分に感動していた。

 

 

数年前、横断歩道を早足で渡っただけでピキッと膝から嫌な音がして、突き抜けるような痛みを味わい整形外科に行った。レントゲンを撮っても問題なし。「運動不足ですね」と言われ、当時は20代にしてこのザマかと大変ショックを受けた。なんだ、まだ動けるじゃん。やるじゃん、30になった私。

 

久しぶりにスキップでもしたい気分だったけど、30代をスキップで膝をやった思い出で始めるのは辛すぎるのでやめた。

 

 

 

 

ソーセージ屋のチェンソーマン

毎日通る道に、ソーセージ専門店がある。古い一軒家をリノベした店先にメニューが書かれた黒板ボードが立ててあり、飾り付けられたフェアリーライトがキラキラ光っている。ずっと気になっていたけれど中の様子が全く見えず、小心者なので入れずにいた。

 

「考えるよりまずやってみる」と今年の抱負を心で復唱し店前に立つ。思い切って引き戸を開けてみた。ガラガラガラ

 

お洒落なお店特有の薄暗さ。間接照明に照らされ、何種類かのソーセージが控えめにショーケースに並んでいるのが目に入る。

 

「はぁ...おしゃれ...」と感嘆の溜息をついたのも束の間「量、少なっ!高っ!!これで750円?!!」と庶民の感覚に上書きされそうになる。まごまごしていると随分と奥の方に、何やらパソコンに向かって作業をしているマスターの姿を見つけた。

全然こちらに気づいてくれない...。心が折れて帰ろうとした時、ようやくマスターが気づいてくれた。

 

「いらっしゃいませ」

小さな声で発せられた一言から柔和さを感じとる。ポツポツと丁寧にソーセージの説明を受ける。しーんとした店内にマスターの小声と私。場に耐えれなくなり、さっさと1つ選んで「これにします!」と指差した。

 

ソーセージを包みにマスターが奥に行き、1人になってたので安堵し、ぐるりと店内を見渡した。すると、お洒落な雰囲気の店内に草刈り機が立てかけてあるのを発見した。

 

ショーケースに並んだソーセージとお洒落な間接照明。コーヒーメーカーにつやつやのピアノと、草刈り機。「草刈り機!」

 

このお店の感想は「草刈り機があった」になった。自転車で帰りながらふと草刈り機を握った瞬間に豹変するマスターを想像する。

ごめんマスター、草刈り機はしまおうか。

買ったソーセージはとても美味しかったです。