砂利の上のおむすび
道端におにぎりが落ちていた。
コンビニで買ったものではなく、誰かが握ったものだった。丸に近い三角で、全体を覆うように海苔が巻かれていた。
丁寧にサランラップで包んであって、朝日に照らされている。「誰かさん、お昼ごはんどうするのだろう」とお昼ご飯を失ったであろう知らない誰かの心配をした。
夕方、保育園のお迎えで同じ場所を通るとまだそこにおにぎりはあった。サランラップは取れていたが、おにぎりはきれいな形のまま残っていた。なぜ?
猫や鳥がラップを取ったのなら崩れているはずだが、夕日に照らされて綺麗な形のままおにぎりはそこにあった。
おにぎりを握る動作とゆうか、人が好きだなぁと思う。同じように水筒を持参している人も好き。4、50代の単身赴任の男性が水筒を持参しているのを見ると胸がキュッとなる。
当たり前だけど、使うって事は洗わないといけない。洗い終わった後、水切りに置かれた水筒を想像するとキュッとなる。なんだろう。淡々とした日々を慎ましく暮らすって良いなと思う。
道端におにぎりが落ちているのを発見したのは人生で2回目だ。死ぬまで何回出会うのかな。